『肩こり』について

お悩み別豆知識

デスクワーク系の仕事を職業とされる方はかなりの高確率で『肩こり』に悩まれているようです。パソコンが普及してからの現代社会において肩こりは職業病的な側面をもち、我々の生活により密接な関わりをもたらしつつあります。

ただでさえ辛い『肩こり』、そのまま放置すると『疲労感』から『痛み』へと質が変化。さらには『腕のしびれ』や『頭痛』へとも発展しかねません。

では、そもそも肩こりの正体とは何なのか?その原因は?すこし掘り下げて考えてみたいと思います。

まずは『僧帽筋』(首~肩~腰とつながるひし形をした人体背面の大きな筋肉)。肩こりの原因となる最もメジャーな筋肉で、サロンパスのCMで有名な『介の字貼り』に対応するものです。多くの患者さんからも「首と肩甲骨のつなぎ目」あるいは「肩甲骨の内側」「両肩の上」がコルとの声を聞きます。

この僧帽筋のコリは主に姿勢と関連が深いようです。その代表例が『猫背姿勢』であり、背中の筋肉は姿勢により長く引き伸ばされ肩甲骨に付着する部分を強く引っ張り、首では前方に大きく傾いた頭の重さを支える為に、首後面の部分が疲弊し硬く緊張します。首は前後だけでなく左右にも傾く傾向が強い為に、左右に傾いた頭の重量を支える為に『肩の上面~首の側面』の筋肉にもコリも生んでしまいます。

予防としては姿勢の改善が挙げられるのですが、仕事中などに無意識で行う姿勢はなかなか改善しづらいものだと私は考えます。短時間であれば可能かもしれませんが長時間となればなおのことでしょう。そこで私が提案するのは自分の弱点に見合った『ストレッチ』です。ストレッチや筋トレでは『こまめに・継続する』ことが重要です。一度に行う量があまりにも多いとこれが難しくなるので、個人の弱点に的を絞ったストレッチのアドバイスを行うように心掛けています。

僧帽筋に次いで大きな問題となるのが、『肩をすくめる動作』『肘を浮かせてのキーボード操作』に使う『肩甲挙筋』『菱形筋』になります。

デスクワークに限らず同じ姿勢を続ける時に気をつけて頂きたい(意識していただきたい)のが、腕を不安定な状態にしないこと。腕が不安定な状態になるとその腕の重みを支えるために『肩甲挙筋』『菱形筋』を使い続けることになり肩こりを生んでしまいます。この動作は無意識で行っているため自覚が無く、蓄積された疲れとなって慢性化することが多いようです。

予防はパソコンのキーボード操作をする時には『肘を机にしっかり安定させる』こと。これだけでかなりの効果が期待できると思います。

朝起きた時に肩こりを感じる方は寝ている間にも腕を安定させる工夫が効果的となる場合もあります。クッションを上手く使うなど色々工夫すると良いかもしれませんね。

コリを自覚しづらい部分にも肩こりの重要な原因は潜んでいます。その代表例が『腕』です。人間の体は全身がつながっていて、ある部分にコリや歪みが発生すると連動的に他の部分に伝わってゆき、他の離れた部位にもコリ・歪みを作ってしまいます。

『腕の疲れ→肩こり』もその典型と言えます。

腕と言っても範囲は広く、肩関節~二の腕・力こぶ~肘~前腕部~手首~指。この中でも特に前腕部の肘付近と肩関節周りのマッサージ・手首のストレッチは有効性が高いので、自分でさすったり・ストレッチを行ってみて「痛気持ち良い」ものを優先的に試していただくことで肩こり緩和に役立つと思います。

最後に肩こりの中には筋肉の疲れなどが原因ではないもの、例えば内臓疾患からくるものなども存在します。整体やストレッチなどでも改善が見られない、あるいは症状の悪化が感じられる場合などにはお医者様に相談するなど問題を軽視しないことを付け加えておきます。

身体から発せられる様々な症状は『身体の声』。問題があり、その改善を自身に求める大切な信号です。


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