甲状腺機能亢進症・低下症と妊活

お悩み別豆知識

妊活と甲状腺機能

甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症、日常生活には差し支えない程度のごくわずかな甲状腺機能低下症でも、上手くいかない報告もあります。
甲状腺値に注意してください。

甲状腺の働き

甲状腺は首の前方喉ぼとけ下にあり、蝶が羽を広げた様な形をしています。
甲状腺ホルモンは、新陳代謝を刺激して促進する働きや、胎児の発育や子供の成長に深く関わってヨウ素を4つ持つサイロキシン(T4)と3つのヨウ素を持つトリヨードサイロニン(T3)の二種類あります。

体内では、甲状腺のホルモンがほぼ一定の値に維持されています。これをコントロールしているのが、脳の下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)です。TSHは、甲状腺を刺激し甲状腺ホルモン(T4,T3)の分泌を促す働きをしています。
血液中の甲状腺ホルモン(T4,T3)が多くなりすぎると、下垂体から甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌が抑えられ、T4,T3の分泌も減少します。逆に血液中のT4、T3濃度が低くなると、TSHの分泌量が増えてT4、T3の分泌を促します。
この様な仕組みを、フィードバック機構といい、常に身体をモニタして変化があれば瞬時に対応します。

甲状腺機能亢進症 バセドウ病

甲状腺がびまん性に肥大して、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される結果、体温が高く、脈拍が早くなる、下痢、やせる、汗が出るなど代謝全般が亢進します。
その結果、プロラクチンも刺激されプロラクチン高値になり排卵障害が起こる。
甲状腺ホルモン(FT3、FT4)の上昇、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の低値、抗TSHレセプター抗体(TRAb)の高値の判定が出たら、アイソトープ検査に進みますが、妊娠中、授乳中時に受けるには、注意が必要です。

甲状腺機能低下症の一つ、橋本病

橋本病は、甲状腺に慢性的に炎症が起こる病気で、慢性甲状腺炎・萎縮性甲状腺炎も呼ばれています。どちら共に、ホルモン分泌低下が起こる。
体温が下がる、便秘、動作鈍い、寒がり、太る、無気力、眠い、月経不順等の症状が出る。
特に類似する、うつ病や更年期障害、自律神経失調症と勘違いする場合があるので、注意が必要です。

自己免疫疾患の一つで、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TOS抗体)、抗サイログロブリン抗体(TG抗体)の陽性反応で診断出来ます。
甲状腺刺激ホルモン
基準値0.35~4.94(μU/ml)

T4
基準値 4.87~11.70(μg/dl)
遊離型T4 基準値0.70~1.48(ng/dl)

T3
基準値0.58~1.59(ng/ml)
遊離型T3 基準値1.71~3.71(pg/ml)


一覧に戻る

ご予約・お問い合わせ
WEB予約はこちらから